アンは80歳になった父親、アンソニーに認知症の兆候が見え始めたのを心配していた。
アンソニーにヘルパーを付けようとしたアンだったが、気難しいアンソニーは難癖を付けてはヘルパーを追い出す始末だった。
しかし、アンソニーの病状は悪化の一途を辿り、記憶が失われていくだけではなく、自らが置かれた状況すら把握できなくなっていった。
困惑するばかりのアンソニーは苛立ちを募らせ、アンに当たることもあった。アンはそんな父親を懸命に支えていたが、気力と体力は消耗するばかりであった...
フランスの原作を映画化したもので、フランス原作なのに「アンソニー・ホプキンスに演じてもらいたいから」わざわざイギリス舞台にしたらしい。確かに彼しか演じられない凄み。そして、役名もアンソニー。同じ年頃の同じ名前の役を演じる、まさに自分を演じてる。
認知症の本人の視点で進むストーリー、今まで見た事なく、とにかく混乱する。頭を整理しようとするけど、整理する間もなくまた次のシーン。
なんというか、言葉もない。自分の親が、もしくは自分がそうなる可能性もあり、そうなった時に...と考えさせられる。
私の中でつられて泣いてしまう役者が2人いる。それがジャック・ニコルソンとアンソニー・ホプキンス。元々狂気的な演技が多かった彼らだけど、最近は泣く演技も多く、普段泣かない私だけどなぜかこの2人の泣く演技に共鳴してしまう。
そりゃ、アカデミー賞主演男優賞取るわ。コレで取らなきゃ誰が取れるよ!
アンソニー度200