町境である一本の川を挟んで"朝9時から夕方5時まで"毎日規則正しく戦争している二つの町。
真面目な兵隊・露木は、津平町で静かに暮らしていた。
川の向こうの太原町をよく知るひとはいない。だけど、とてもコワイらしい。
ある日突然、露木が言い渡されたのは、音楽隊への人事異動。明日からどこへ出勤すればいいのかもわからない。
そんな中、偶然出会ったのは向こう岸から聞こえる音楽だった。その音色に少しずつ心を惹かれていく一方、町では「新部隊と新兵器がやってくる」噂が広がっていて...
とても不思議な空気感の作品。
一言で言うと「変な映画」、だけどとても日本人らしい部分がたくさん。
なぜ戦ってるかわからないけど、指示されるからやる。9時5時で「作業を始めてください」の声から始まる戦争。「作業」って言っちゃってるよ。
受付嬢(!?)は兵隊しか中に入れてくれない。新しく来た「技術者」は兵隊ではないから入れない。腕を失った兵隊に「足はありますか?目は見えますか?耳は聞こえますか?」決められた質問を淡々と投げかけるシーン、「はい」以外の余計な答えを言うと鉛筆投げてあからさまにイラッとするの。
色んなシーンがとてもシュールで魅力的と感じる。中でも秀逸なのが、片桐はいり。こういう役をやらせたらホントに「片桐はいりワールド」、彼女のシーンが楽しみでたまらなくなる。
なぜ始まったかわからないけど、皆がやるから自分もやめない。決められた作業をこなす毎日。自分の仕事以外は興味もなく、どこで何をやってるか全く知らない。「フフっ」ってなる。
The日本人度80