映画一言感想文

あくまでも個人的な個人的すぎる感想文(感想文ですので若干ネタバレもあります)

『アプローズ、アプローズ! 囚人たちの大舞台』(2022)

売れない役者エチエンヌは、囚人たちの演技のワークショップの講師として招かれる。

彼は演目をサミュエル・ベケットの「ゴドーを待ちながら」に決め、囚人たちは慣れないセリフや意味のわからない言葉に戸惑うが、さまざまな背景を持つ彼らと向き合いながら芝居に打ち込んでいく。

やがてエチエンヌの芝居への情熱は囚人たちをはじめ、刑務官らの心も動かし、塀の外での公演が実現する…

 

スウェーデンの俳優ヤン・ジョンソンの実体験を基に描く作品。

実話が元になってるだけに、そんなにドラマチックでは無い。とてもシンプルだけど、何か惹かれるものがある。

途中も「逃げるんじゃね?」のヒヤヒヤ感も感じつつ、演出家と囚人の絆にちょっと胸が熱くなったり、盲文の囚人が長ゼリフを決めた時は涙が出そうになった。

ラストはパリの大舞台、オデオン座からのオファーが届く。何とも言えないラストだね。

最後まで見ても「ゴドーを待ちながら」のストーリーはよく分からんけど、この作品自体は楽しめる。

戯曲の原作者、ベケット自身の「私の戯曲に起きた最も素晴らしい出来事だ」って言葉が1番刺さったな。

なるほどな~度71